高校三年生となれば受験はもう目の前だ。

大原健吾は焦る事なくマイペースに自分の欲望を叶えたいと思っていた。

女子ボクシングフェチの健吾は、特にマウスピースに目が無い。

フェチ専用のDVDもかなり集めている。

(やっぱり養殖(所謂作り物)は限度があるな、抜けるけどリアルなものがいいな)

女子ボクシング部はあるのだが、勿論女子しか入れないのでいつか覗いてやろうと考えていた。

(あー、使用済みのマウスピースが欲しいなぁ、シェンロンとかいたら絶対に使用済みマウスピースだよな)

既に放課後。自分の机に座り、健吾は妄想にふける。

(ドラゴンボールを集めるのは無理なんだろうなぁ、レーダーも無いし)

窓から女子ボクシング部の部室が見える。

(透明人間になりたいなぁ、いくら払ったらなれるのかなぁ、とりあえず部室の近くにでも行ってみるか)

健吾は女子ボクシング部の部室へ向かった。

そろそろ部活も終わる頃らしく、入口に入ってすぐの更衣室から女子達の声がする。

粒ぞろいの美人や可愛い女子しかいない女子ボクシング部。

シューッ、シューッという音が漏れてくる。

(エイトフォーか、匂いの嗅ぎ合いして気に入ったのを買うっちゅう奴だな)

健吾はぼーっとアルミフラッシュドアを見ている。

(エイトフォーはよしとして、俺は皆のマウスピースを嗅いでみたいなぁ)

と考えながら油断していると女子達がわらわらとドアから体操着になって出てきた。

「あ、健吾君、どうしたのそんな所で」

「あ……考え事してたらいつの間にか……ここに立っててよぅ」

「ふーん」

後から出てきた女子達も口々に「あ、健吾君!」と声をかけてきた。

(気軽に呼びやがって、お前らのマウスピースよこせ!)

健吾は実際、性格に問題がある。

「今日はこれで終わりなんか?」

とさりげなく女子の一人に話しかけた。

「いや、走り込みがあるからまだだよ」

「へー、大変だねぇ」

そして女子部員が校庭に行く途中

「マウスピースは終わってから洗おうね」

と言った。健吾はそれを聞き逃さなかった!

(こりゃあ一世一代の大チャンスじゃあないか)

女子全員の姿が見えなくなった後、健吾は堂々と更衣室に入った。

「使用済みのマウスピースだらけって事だよな……」

そう呟いて一人で頷く。

試しにロッカーを開けてみるとマウスピースケースが置いてあった。

「おおっ、あるじゃん、ひとつ失敬……」

と、急に気がついた。

「マウスピースなくなってたらここに残ってた俺が疑われるに決まってるじゃん!どうせバレるなら全部盗んじまおう」

健吾はロッカーをすべて空け、30個程度のマウスピースケースをカバンに詰め込んだ。

マウスピースケースにはそれぞれ名前のラベルが貼ってあった。

「これは今日のオナニーは最高になるに違いない、計画通り!」

健吾はスッと何気なく外に出て、急いで自宅を目指した。

(マウスピースを吐き出す姿も興奮するが、マウスピース単体でも

十分に抜けるわい)

ホクホク気分で家へ到着。自室にこもる。

「いやー、大漁大漁。とりあえず……かなえちゃんのを見てみるか、

かなえちゃんショートボブで太ももがむっちり、いいね」

「かなえ」とラベルのあるマウスピースケースを開く。

(うっ!)

見た目は純白だが、マウスピースにまとわりついた唾液の匂いがする。

「特に汚れてないのにこんなに臭いものなんか!」

勃起をするが、今抜いて賢者になるわけにはいかない。

30個のマウスピースをフルに使って果てようと考える。

「恵ちゃんのはどうだろう、ツインテールの小柄な感じで可愛いんだよな」

恵のケースを開ける。

最初と同じように唾液の匂いが鼻をついた。

そして、

「でかっ!」

小柄な恵からは想像のつかない肉厚で巨大なマウスピースだった。

「うわっ、ギャップに興奮するわ。何でこんなにでかいんだ?」

健吾はしばし考える、急がなくてもこれから時間は十分にあるからだ。

「ああ、多分弱くて打たれまくるから保護のマウスピースを、でかくしたんだな」

健吾はそう結論を出した。実際にその通りなのだが。

「しかし恵ちゃん凄いなぁ。マウスピースに付着してるツバが、かなえちゃんより

遥かに多い」

そして交互に嗅いでみる。

「うわっ、やっぱり恵ちゃんの方が臭い!」

健吾はそう言って喜んだ。

「使用済みマウスピースは臭くてナンボだって俺前から思ってたからなぁ」

そして主将の美智子のマウスピースを取り出してみた。

「……やっぱりロングヘアで目つきがキツい、すました顔をしながら

こんな汚い物を口に入れてるんだもんな、ギャップで興奮して来たな」

それから一人一人のマウスピースを吟味して、部屋の隅にあるバケツを持ってきて

それに30個すべてのマウスピースを放り込んだ。

唾液でヌラヌラ光る艶かしいマウスピースがぎっしり状態だ。

「女子ボクシング部にブサイクはおらんからこういう事が出来るのだ、贅沢!」

そして健吾はそのバケツに顔を突っ込んだ。

全員のマウスピースにまとわりついた唾液の量の多さに匂いが比例する。

「くさっ! 30人分のマウスピースを一度に嗅げるなんて贅沢だなぁ」

手でバケツの中をかき混ぜている。

粘性の強い唾液が音をたてる。

柔らかいマウスピースはお互いに干渉しあい、形を歪ませながら、ただヌチャヌチャという。

「もっと硬いと思ったらグニャグニャに柔らかいものなんだなぁこれで皆のツバ

が十分混じったろう……さて、どうオナニーをするかな」

健吾は必死に考えた。

「うーん、この大量のツバをローションにシコるか……いやそれじゃマウスピース

の良さを引き立てられんのだなぁ」

悩んでいると、ふと自分の持っているオナホールに気がついた。

「そうだ、この柔らかくてツバでヌルヌルしたマウスピースをオナホ代わりに

使えばいいのだな」

そう言って両手をバケツに突っ込んで左右の手に持てるだけマウスピースを持った。

そしてペニスに巻きつけるようにして、前後にクチャッ、クチャッとオナニーを

始めた。

「うわー、俺、女子ボクシング部の汚いマウスピースでオナニーしとる、俺のチ●

コは臭いかもしれんが、お前らのツバのほうが遥かに臭いんじゃ!」

突起物が無いので刺激はあまりないが、その分長く楽しめる。

健吾は一旦オナニーを止めた。

「まだ何か斬新なプレイは無いかなぁ」

と、迷っていると携帯が鳴り響いて健吾はビクッとなった。

「あ、恵からだ、バレたかな」

電話に出る。

「もしもし?」

「あ、もしもし健吾君?」

「おう、どうした」

心臓がバクバク鳴る。

「あの、女子ボクシング部のマウスピースが全部盗まれたんだけど、心当たり

無い?」

「無いなぁ」

「だって部室の前にいたでしょう」

「うん……おった」

 

 

 

「正直に言っていいから、秘密にしておくよ」

「そ、そうか。いや、俺が盗んだんだな」

「何? 健吾君ってマウスピースが好きなの?」

「好き。コーフンするから、オナニー用にね」

「えぇぇ、オナニーにも使っちゃうんだ……変態でしょ」

「あ、ああ変態さ!」

「まあ黙っててあげるけど、何だか私のマウスピースを見られるっていうのが

恥ずかしいな……」

「十分に見たぞ、あんな肉厚ででかいマウスピースがよく口に入ったな」

「だって私、顔面打たれまくるからマウスピース暑くて柔らかくないと駄目なんだ

もん」

「やっぱりそうか、エロすぎるだろ」

「エロ?」

「俺の定義したエロなんだよ」

「そうなんだ……よくわからないけど」

「けど?」

「どうだったの? 私のマウスピースで興奮したの?」

「したって言ってるでしょ」

「匂いクンクンとかしたの?」

「したした、思いっきりした」

「どうだった?」

「全部のマウスピースの中で一番臭かったよ」

「そうなんだ、匂いが好きなんだ……マウスピースが私の口を守って

くれるかわりにツバが染み込むんだ……だから臭いんだと思うよ」

「へぇー、いいねそれ。ますますコーフンして来たよ」

「あんまり悪ノリしてるとみんなに犯人だって言うよ」

「悪ノリするのは俺の良い部分なんだよ、才能だよ」

「ふーん、で、ちゃんとマウスピースは皆に返すの?」

「無理無理、バケツに入れてかきまぜちゃったからどれが誰のかわからない」

「ええっ、どうするの?」

「どうもこうも、後先考えてないから。あ、恵ちゃんのマウスピースだけは

でっかくて目立つから返せるかな」

「ちょっとそれ言われると恥ずかしい……」

「大丈夫。上手く使いこなす予定だから」

「うーん、健吾君に付き合ってたら私までおかしくなっちゃいそうだよ、でも」

「ん? でも?」

「私のマウスピースが臭いって言われて、なんか嬉しいかも」

「ドMか!?」

「そうだよ!」

「なるほどなぁじゃあマウスピースオナホールに追加してあげよう」

「何それ?」

「マウスピースをち●こにたくさん巻きつけてツバのローションでオナニーするんだ。

「えええっ!」

「フィニッシュは恵ちゃんのマウスピースにザーメンぶっかけようか?」

「ぶっかけようかと言われても……。でも私のマウスピースはお気に入りなんだね」

「そうだね、お気に入りだよ」

「まあ、ちょっとは選ばれた喜びもあるんだけどね」

「ドMか!?」

「そうだよ!」

「うーん、まあとりあえず誰にも言わんといてくれ」

「わかってるんだけど、はぁ……私も頭おかしいのかな」

「も って何?」

「健吾君」

「そりゃあまあ……確かにおかしいな、こんな性癖に目覚めるなんて」

「とりあえず誤魔化しとくから。じゃあね」

「うーい」

電話が切れた。

今しがたまで恵と話したとは思えない程、バケツに溢れかえるマウスピースに

目を輝かせている。

「うっし、プレイを色々考えるぞ、MP党万歳だな」

健吾はとりあえず踊ってみた。

「ちゃうねん、踊りたいわけじゃないねん」

一人ごちてバケツに寄る。

すると凄まじい唾液臭がムワッと鼻をつく。

「そうか、唾液って乾いたら臭いんだった」

その匂いに健吾はギンギンに勃起を保ったままだ。

「そうだ、恵のマウスピースはどうなっているんだろう」

バケツに手を突っ込んで大きなマウスピースを取り出す。

これ以上無いという位濃密な匂いがした。

「何で俺、こんなに臭くて汚いものが好きなんだろ、やっぱり口の中の

型を取っているわけで、普段晒さない秘部みたいなもんだよな、マ●コ見られる」

のと同じような感覚なのかなぁ」

健吾は改めて乾きかかっている沢山のマウスピースをかき混ぜる。

もう唾液は強い粘性になっており、ひたすら糸を引いた。

「もう匂いだけで行っちまおうかな、別に返さなくていいわけだから」

健吾は自分のペニスをつかんでしごいた、ひたすら臭い匂いを嗅ぎながら

可愛い、美人な部員達とのギャップを感じながら。

「うっ! さすがに気持ちいいな、ヤバいな。なんか波が来てる。こりゃイく時

かなりの快感が得られるぞ!」

ひたすらしごく。

「くそっ!イくぞっ!」

どぷっ、びゅるっ、びゅるるっ!

自分でも信じられない程の濃厚な精液がペニスから吐き出される。

 

翌日、学校の昼休みに健吾は恵を呼び出した。

「よう、童顔エロ」

「ええーっ、私を呼び出しといてそれ?」

「だって頭に浮かんだこと喋っちゃうのが俺の癖だもん」

「はいはい、で、何?」

健吾はマウスピースケースを恵に渡した。

「あ、返してくれるんだ」

受け取ってパカッと開けると妙な匂いが鼻をついた。

「なんかイカ臭くて、歯にはめる部分に白い液体がどっぷり溜まってるんだけど……」

「ちょっと前にそれの匂い嗅ぎながらオナニーして、フィニッシュにぶっかけた」

「……もう、しょうがないなぁ」

恵はそれを口にはめた。

「今日、これでスパーリングするね」

「何だ、案外気に入ったのか?」

「うん、だって健吾君の事好きなんだから。色々知って体験しないとね」

「俺に惚れたのか!?」

健吾は呆然とその場に立ち尽くした。

「変態には変態を。ね!」

「はぁ……というか俺、使用済みのマウスピースの方が好きだから」

「じゃあ私が量産してあげる!」

「そ、そうか。でもこういうのは隠れてやるから興奮するんだぜ?」

「じゃあどうすれば……」

「どうもこうも、そういう事だから、俺、こんな人間です」

「逃がさないぞー」

恵は両手を上に挙げて低い声でそう言った。

健吾はその時、えもいわれぬ恐怖を感じた。

 

                           END